不動産業界の転職活動ノウハウ
宅建に
ついて
不動産業界において欠かせない資格は多々ありますが、中でも知名度が高い資格といえば宅建士ではないでしょうか。
正式名称を『宅地建物取引士』と呼ぶこの資格は、賃貸・売買を問わず、不動産取引において重要な資格です。
不動産業界への転職を目指して受験を目指す方も多い宅建士の資格についてご紹介しましょう。
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宅建士のみが行える業務内容
宅建士のみが行える業務内容は以下の通りです。
- ●不動産取引における重要事項の説明
- 賃貸借・売買のどちらにも関わらず、不動産取引を行う場合は重要事項説明を行わなくてはなりません。
これは、取引対象となる不動産の所在地に誤りがないか、契約や建築における制限の有無、ライフラインの整備状況などをご説明します。
なぜこの説明が重要なのかというと、もし契約内容に誤りがあって重大な支障が発生した場合、契約されたお客様が多大な損害を被る可能性が高いため。
そういった事態を避けるためにも、宅建士は契約前に必ず説明を行い、お客様に不利な契約とならないよう務めます。
なお、重要事項説明時には、宅建士は宅建取引士証をお客様へ提示することが義務付けられています。
- ●重要事項説明書の署名・捺印
- 先述の重要事項説明を終え、お客様も内容をご理解・ご納得されたら、重要事項説明書へ署名・捺印をしていただきます。
そしてこの時、宅建士も「私が説明を行いました」と証明するために署名・捺印を行います。
- ●賃貸借または売買契約書の署名・捺印
- お客様・宅建士の双方が重要事項説明書に署名・捺印を終えた後は、契約書への署名・捺印へと移ります。
ここでは重要事項説明と同じく、契約書の内容に相違がないかどうか、宅建士が1つずつ条項をご説明しながらお客様にご確認していただきます。
そして、お客様が契約内容をご理解・ご納得いただいたことを確認してから、双方が署名・捺印を行うのです。
宅建士が重宝される理由
不動産業界で宅建士の資格を有する方が重宝される1番の理由は、先述のように、宅建士の資格を持つ方でないと行うことができない業務があるため。
またそれだけでなく、宅地建物取引業法(通称:宅建業法)では、1事業所内の従業員数に対し、5人に1人以上の割合で宅建士を配置するよう定めています。
さらに、2015年4月より現行の内容に改正された宅建業法が施行されたことも、大きな要因となっています。
この改正では、これまで『宅地建物取引主任者』と呼ばれていた資格が『宅地建物取引士』へと変更されたことで、宅建士の責任範囲が広がりました。
そのため、これまで以上に宅建士の資格を有する方が重宝されるようになったのです。
宅建士の合格率は?
不動産業界になくてはならない宅建士ですが、その合格率は決して高いとはいえません。
実際、2016年は受験者数が約198,463人だったのに対し、合格者数は約30,589人で、合格率は15.4%に留まりました。
それ以前の年の受験状況を見ても、宅建士の合格率は毎年15%前後で推移しており、単純計算でも100人中15人しか合格しないほど難易度が高い資格試験です。
そのため、受験者の中には過去に挑戦したものの、不合格だった方が再挑戦されるケースも少なくありません。
宅建士は転職後に受験をすることも可能ですが、合格が先延ばしになってしまうと、その分転職後に出来る業務の内容も限られてしまいます。
そのため、より有利な転職を行うのであれば、転職前に取得されることをおすすめします。
宅建士の資格が活きる場とは
宅建士の資格を活かせる場としては、真っ先に不動産会社を思い浮かべる方がほとんどでしょう。
実は、不動産会社以外にも、宅建士の資格を活かせる場としては以下のような場があります。
- ●建築会社
- 建物を建てるために欠かせない建築会社の中には、建築した物件を直接自社で販売・賃貸の募集を行うために、不動産部門を設置している企業もあります。
もちろん、不動産取引の際は宅建士が必要となりますので、宅建士は不動産部門のある建築会社への転職にも有効です。
- ●金融機関
- 不動産売買の場合、住宅ローンの契約をされるお客様が多く、それに伴い不動産の知識や不動産関連の法律の知識に詳しい方が求められるケースも多々あります。
金融と不動産は切っても切れない関係ですので、住宅ローンを取り扱う金融機関への転職をお考えの方にも、宅建士の資格取得はおすすめです。
このように、宅建士=不動産会社だけでなく、不動産に関する事業を行う職種であれば、宅建士の資格を活かすことができます。
また、宅建士の取得を足掛かりにして、マンション管理士や不動産鑑定士など関連性の高い資格も取得することで、不動産のエキスパートとして活躍の場を広げることもできますよ。