今後の不動産市場はどうなっていくのか?
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新型コロナウイルスによって大きな打撃を受けた経済。
航空業界や観光業界などさまざまな業界に影響を与えましたが、少なからず、不動産市場も売り上げなどが減少し影響を受けました。
離職などで、不動産会社への転職を考えている方もいるのではないでしょうか。
今回はオリンピック延期に伴う影響や、2022年問題も併せて不動産市場の今後はどうなっていくのかお伝えしていきます。
オリンピック開催・延期がもたらす影響
2013年に東京オリンピック・パラリンピックの招致が決まり、全国に与える経済効果は約32兆円に上ると予想されています。
オリンピックの影響で、交通のインフラ整備や都市の再開発、建築需要の促進があげられるでしょう。
特に、東京湾周辺のエリアでは、競技施設の新設や道路・鉄道などの輸送インフラが整備される計画が発表されると、首都圏全体の不動産価格、特にマンションの価格が上昇しました。
ところが2020年3月、新型コロナウイルスの感染拡大により東京オリンピック・パラリンピックの延期が決定されました。
そのため、新型コロナウイルスによる不景気とオリンピックの延期が重なり、「物件価格が下落するのでは?」と心配している不動産投資家も多いでしょう。
不動産価格下落を懸念し、今のうちに売りに出す投資家も見受けられます。
またオリンピックが閉幕したあと、経済は大きく落ち込むのではないかという見解もあります。
しかし、観光誘致や再開発によって外国人観光客からの人気は上昇し、その後も経済全体に持続的なプラス効果をもたらすと予想されているでしょう。
不動産価格だけがオリンピック後に大きく下落するとは考えにくく、あったとしても限定的な下落に抑えられるのではと考えられています。
実際、1996年以降に夏季オリンピックを開催したアトランタ、シドニー、アテネ、ロンドンの不動産価格は閉幕後に下落することなく緩やかに上昇しています。
生産緑地の2022年問題
生産緑地とは、1992年に生産緑地法で定められた土地制度の一つで、簡単に言うと「最低30年は農地・緑地として土地を維持する代わりに税制優遇を受けられる」ものです。
市街化区域にある農地は、生産緑地法により農地として認定される「生産緑地」と、宅地に転用する「宅地化農地」に区分されます。
自治体から生産緑地として認定を受けた土地は、固定資産税額が一般農地の水準となり、相続税の納税猶予が与えられるというメリットがありますが、生産緑地として認められてから30年間は、農林漁業以外の建築は許可されません。
この生産緑地法が定められてから、2022年に30年の営農義務が終えるため、一斉に生産緑地の指定が解除されることになります。
指定が解除されると、固定資産税の減免が無くなるため、土地を手放したいと考える所有者が出てくるでしょう。
特に2022年は全体の約8割の生産緑地の指定期限がやってくるため、多くの土地が売却され、緑地の減少や土地の供給過多などの問題が起きると予想されています。
周辺地域の不動産価格が下落し、空き家問題が一層深刻化することが懸念されています。
その大規模な宅地化による地価の下落を防ぐために、2018年に改正都市法が施行され、用途地域に「田園住居地域」が新たに追加されました。
田園と低層住宅、なおかつ生活するにあたり必要最低限の設備が整っている居住地域を目指します。
この改正により、旧生産緑地が高層マンションや大型商業施設が建つことによる、周辺エリアの急激な居住環境の変化と、大規模な宅地化を防ぐ効果が期待されています。
加速する高齢化と人口減少
近年深刻化する高齢化問題ですが、少なからず不動産市場にも影響を及ぼしています。
高齢化と並行して人口の減少も懸念されており、2004年の1億2,768万人をピークとし、現在まで減り続けています。
特に地方の人口は大きく減少し、空き家問題や価格の減少に直結しているでしょう。
そんな中、都市部では人気のエリアに多くの人が住まいを求めるため、価格が上昇し、地域によって価格が大きく異なる二極化の状態が続いています。
空き家が増加し、分譲住宅の価格が安くなると、賃貸物件の需要に影響する恐れもあります。
そして、住宅を購入する人のほとんどは若年層です。
世帯主の年齢を見てみると、30代の層が最も多く、60歳以上は10%前後という結果が出ています。
高齢化が加速し、若年層の人口が減ると住宅を購入する人も減ることになり、新規購入需要だけでなく住み替えの減少も懸念されるでしょう。
不動産の将来性はある?
ここまで見てきたように、不動産市場は大きく社会環境に影響されます。
しかし、生きている限り住まいは必要不可欠であり、需要が無くなることはありません。
オリンピック需要が無くなった住居や2022年に生産緑地が解除されること、さらには空き家問題など不動産市場全体で、不動産ストックが大きく増加すると予想されています。
今後はその不動産ストックをリフォームしたり、解体して建て直したりするなど、有効活用していくことが大事です。
ニーズを満たした物件や、サービス展開で投資でも不動産市場としても良い結果が期待できるでしょう。
まとめ
生活に身近な不動産市場ですが、社会環境や景気動向の変化に影響を受けやすいと言えます。
先を見据えてさまざまな挑戦していくことで、明るい不動産の未来を切り開いていけるでしょう。
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