不動産デベロッパーとは？必須資格や仕事内容を解説【2023最新】

不動産業界には多くの業種があり、なかでも「不動産デベロッパー」は人気の業種のひとつです。

しかし、就職活動を始めたばかりの方や、不動産業界が未経験という方にはあまり馴染みがないため、仕事内容や魅力を捉えにくいかもしれません。

そこで今回は、不動産業界で働きたいという方へ、不動産デベロッパーについてご紹介します。

不動産デベロッパーの仕事内容とは？

デベロッパーとは、「土地開発事業者（developer）」という意味です。

都市開発の監督・プロデューサーのような役割を担っており、マンションや戸建てなどの住宅、オフィスビル、駅ビルやアウトレットモールなどの大規模商業施設の企画・開発・運営などを行います。

事業用地の確保や事業計画書の作成、建築物の設計、ゼネコン（建設業者）への工事依頼や施工管理を行うなど、ほぼ全ての工程にかかわるのが大きな特徴です。

また、事業用地確保にともなう"交渉"や、住宅開発後の販売までを担当する不動産デベロッパーも少なくありません。

このように、不動産デベロッパーの仕事内容は多岐にわたりますが、「人々の暮らしを支え、経済活動や余暇活動を行う施設・環境を開発する」という点は共通しています。

不動産デベロッパーとゼネコンとの違い

よく混同されますが、不動産デベロッパーとゼネコンとは違う業種です。

ゼネコンとは、「General（総合的な）Contractor（工事請負業者）」の略称で、日本語で表すと「総合建設会社」となります。

「建設会社」なので、ビルやマンションを「建てる」ことがゼネコンの主な仕事です。しかし、建築業務の仕事すべてを自社で請け負うのではなく、下請けや孫請けの建設会社に工事を発注し、それを取りまとめて工事全体の管理をしています。

これに対して、不動産デベロッパー会社は、自社では工事そのものは行いません。ゼネコンへの指示や発注を含めた、開発業務全体のプロデュースを行うことが主な仕事です。

つまり、不動産開発の計画を立て、それを実行するために各業者に指示を出すのが不動産デベロッパーで、その指示を受けて建築計画を立て、現場で実際に建築に携わる工事請負業者を取りまとめるのがゼネコンの仕事になります。

中には、不動産デベロッパーとゼネコンがグループ会社になっていたり、ゼネコンの中に不動産デベロッパー部門があったりするので、混同される場合が多いです。

しかし、不動産デベロッパーへの転職を希望しているならば、ゼネコンと不動産デベロッパーとの本来の仕事内容は異なるということを頭に置いておくようにしましょう。

不動産デベロッパーに必要な資格と有利な資格

不動産デベロッパーは土地開発をメインに行いますが、仕事内容には不動産売買や賃貸仲介なども含まれているため、宅地建物取引士（宅建）の資格が必要となります。

宅建は宅地建物取引業に基づいた国家資格で、不動産売買や賃貸仲介を行うためには欠かせない資格なので、不動産デベロッパーになるには最初にクリアしておきたい関門です。

企業に入社してから宅建取得を目指すというのも良いですが、もしも現在、不動産業界への就職や転職を希望しているなら、入社前に取得しておくのも良いでしょう。

不動産業界への理解を深められる他、就職・転職活動において良い印象を与えられますよ。

さらに、宅建のように必須ではありませんが、不動産デベロッパーになるなら以下の5つの資格を持っていると有利です。

・土地家屋調査士

登記を目的とした測量と、登記ができる国家資格です。合格率は9.5％と低いですが、測量士（補）や建築士（1級・2級）の資格を持っていれば一部免除が受けられます。

・不動産鑑定士

不動産の価値を鑑定できる国家資格。難易度が高く、合格率は短答式試験（マークシート）が33.3％、論文式試験が14.8％です。

・管理業務主任者

管理委託契約に関する重要事項や、管理事務報告を行うのに必須の国家資格です。マンション運営などを行う不動産デベロッパーなら、取得しておいて損はないでしょう。

・司法書士

登記や供託（きょうたく）業務の代行を行う際に便利な資格です。合格率は3.3％ほどと超難関ですが、学歴や年齢に関係なく誰でも受験することが可能です。

・行政書士

建築業許可申請など、行政機関への提出書類を作成する際に便利な資格です。合格率は10％ほどと低めですが、司法書士と同様に高い水準の法律の知識を身に付けられます。

上記の資格は宅建よりも難易度が高いですが、受験資格がないため挑戦しやすいといえます。不動産デベロッパーとしての価値を高められるため、たくさんの大型案件にかかわれるでしょう。

やりがいがあり年収も高い！不動産デベロッパーの魅力

不動産デベロッパーの魅力は、「やりがい」と「達成感」です。

都市開発のプロジェクトには莫大な資金が必要になるため、デベロッパーの仕事を担当するのは必然的に大企業がメインになります。

チームを組んでプロジェクトの完成を目指しますが、巨額の資金を投じていることや、仕事の規模が大きく任される仕事がむずかしいことから、プレッシャーを感じることも少なくありません。

しかし重圧なプレッシャーがある分、仕事に対する"やりがい"を感じられ、プロジェクトが成功したときの"達成感"が大きくなります。

また、自分たちが企画・開発した街に多くの人々が住み、生活しているのを実際に見ることで喜びを感じられるのも魅力のひとつといえるでしょう。

さらに、不動産デベロッパーは年収が高いと言われる不動産業界の中でも特に稼げる仕事です。

そもそも土地開発を行うには莫大な資金が必要なので、不動産デベロッパーとして様々な事業に取り組む企業の多くは高い売上高を誇る大手の不動産会社に限られてきます（絶対ではなくその傾向が強いということ）。

高い売上高を誇る企業なら当然、社員に支払える給与も増えるもの。実際に1,000万円を超える高い年収を獲得している不動産デベロッパーも少なくありません。

なお、不動産デベロッパーと言う大枠で見ると同じですが、得意とする分野や手掛けている事業には企業ごとに異なります。

不動産デベロッパーを目指すために転職しようと考えている方は、志望する企業が得意とする分野や強みとしている事業開発についてよく調べておくと良いでしょう。

まとめ

不動産デベロッパーは、住宅や商業施設を建設したり街づくりを行なったりと、大規模な都市開発を行う仕事です。

仕事内容の幅が広いため、計り知れないほどのプレッシャーや困難にぶつかることもありますが、やりがいや達成感が大きく、魅力のある仕事といえます。

不動産業界への就職・転職をお考えの方は、ひとつの選択肢として不動産デベロッパーも視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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