目次
転職活動において、職務経歴書の書き方は選考を左右する重要な要素です。
比較的転職者の受け入れに寛容と言われている不動産業界でも、例外ではありません。
今回は、不動産業界にスポットをあてて、職務経歴書にありがちな失敗例と正しい書き方、職務経歴書とともに提出する履歴書についてもご紹介していきます。
失敗例①「職務経歴書にキャリアや実績が書かれていない」
不動産業界は、今までのキャリアに関係なく公平な人事評価を得られる傾向にあります。
しかし、それは入社してからの話であり、採用段階では前職の実績をアピールしなければあなたの能力は伝わりません。
得意分野や能力、ヒューマンスキルなどを詳しく記載しなかったことで良い結果を得られなかったというケースもあるため、職務経歴書には必ず実績を記載することが大切です。
所属部署、担当した物件の規模や種類、特徴はもちろん、チーム構成や役割、責任範囲についての記載も欠かせません。
また、クライアントとのやり取りした経歴があるなら、クライアントの規模や予算感、担当数なども把握できるような内容だと好ましく受け取られるでしょう。
これらを伝えることで、自分と採用担当者(人事)の認識のずれを少なくすることができます。
さらに、成果や実績は数値化して記載することが大切です。
例えば、営業職をしていた方なら実績や達成率、成約件数、表彰などの実績をアピールすると良いでしょう。
その際、前年度比やチーム内での順位といった比較対象もあわせて記載すれば、実績の規模を判断しやすくなる他、達成のために努力したことや工夫したこと、改めて学んだことなどを記載すれば、自己PRになります。
失敗例②「職務経歴書の自己アピールがずれている」
見当はずれな自己アピールは、マイナスの印象を与えかねません。
例えば、不動産業界を志望しているのに業務に役立たないことをツラツラと書き連ねても、相手はあなたをどう評価して良いか分からないでしょう。
会社が何を、どういった人物像を求めているのかをしっかりと把握し、それに向けてアピールしないと、いくら不動産業界が幅広く人材を募っていたところで採用は遠ざかるばかりです。
どんなスキルや能力があり、どう業務に活かせるのかを明確に記載し、あなたの強みが不動産業界でも役立つことをアピールしてみましょう。
さらに、ヒューマンエピソードが伺えるエピソードを書いて自分をPRすることも大切です。
不動産業界は、土地や住宅といった高額な商材を扱う業界なので、信頼に足る人材かどうかが重要な採用基準になります。
知識や経験をアピールすることはもちろんですが、クライアントに対する説明や提案、資料作成への取り組みなどのヒューマンエピソードを織り交ぜれば、誠実な印象と好感を抱いてもらいやすくなるでしょう。
この他、他社から評価された、褒められたという点も自己PRになり得るので、書き出してまとめておくことをおすすめします。
失敗例③「職務経歴書が読みにくく汚い」
職務経歴書が読みにくく汚いと、採用担当者から良い評価は得られません。
職務経歴書は、与えられた課題を正確にこなす能力があるか、相手に"読ませる"ことを意識して書けているかなど、あらゆる面を判断する材料として使われます。
そのため、内容以前に書類としての完成度も、職務経歴書の評価に影響を与えると考えることが重要です。
職務経歴書がくしゃくしゃになったり、汚れたりしているなら、速やかに書き直しましょう。
また、文字量のバランスは良いか、読みやすい文章で書かれているかもチェックすべきポイントと言えます。
「そもそも文章の書き方も分からない」という方は、採用担当者に読んでもらうことを意識すると良いでしょう。
職務経歴書を見たときに相手がどう感じるか、どこを評価するのかを想像しながら筆を走らせると、まとめるべき文章が出てきやすくなります。
伝えたいことをよりスムーズにまとめられるよう、自分の経歴を洗い出したり、日頃から自己分析したりと、自分のアピールポイントを把握できる時間を確保しておくことが大切です。
なお、まとまりの冗長な職務経歴書は、「要点をまとめる力がない人」という不名誉なレッテルを貼られる可能性が高いため注意しましょう。
失敗例④「職務経歴書に嘘を書く」
職務経歴書は自己PRの書類なので、できるだけ良く思われたいと表現を工夫するのは自然な行為ですし、多少は自分の実力を大きく見せるなどのテクニックも必要とされるものです。
しかし、やりすぎて事実と異なる実績を書いたり、素顔のあなたからかけ離れた人間性をアピールしたりすると、結果的にあなた自身が損をしてしまいます。
仮に、職務経歴書におかしな点があると思われた場合、面接で採用担当者から質問を受けるでしょうし、中には厳しく追求してくる採用担当者もいるかもしれません。
そのとき、しどろもどろになったり、矛盾した答えを返したりすると、相手に嘘がばれてしまい高確率で不採用になってしまいます。
また面接で嘘がばれなくても、入社後もずっと取り繕う必要が出てくるため、いずれボロが出てしまうでしょう。
職務経歴書では嘘を書くよりも、事実を良く見せる表現を心がけるほうが賢明です。
職歴なしでも大丈夫?失敗しない職務経歴書を書く際のポイント
不動産業界で働きたいと考えている方の中には、「職歴なしだから職務経歴書が書けない」「面接で職歴なしを追求されたらどう説明しよう」と不安に思う方もいるかもしれません。
確かに職歴はあなたを判断する重要な書類ですが、職歴があるかないかが採用判断の100%を担うわけではないため悲観しなくても大丈夫です。
以下、アルバイト経験はあるが正社員経験がない方、どちらの経験もない方に向けて、職務経歴書の書き方をご紹介します。
・アルバイト経験はあるが正社員経験がない方もしもアルバイト経験があるなら、アルバイトを通して学んだことを書きましょう。
「アルバイト経験も職務経歴書に書いていいの?」と思う方もいるでしょうが、例え雇用形態がアルバイトでも立派な職務経歴ですし、不動産業界で活かせる経験なら積極的にアピールすべきです。
例えば、「コンビニエンスストアでアルバイト経験があります」だと採用には至りませんが、接客やレジ対応、売り上げ管理、新人指導などの経験があれば十分にアピールできるでしょう。
また、「なぜ正社員ではなくアルバイト経験だけなのか」と疑問に思う採用担当者もいますが、きちんと説明すればさしたる問題はありません。
例)
「あらかじめ〇年間と決めて資格勉強をしていましたが、残念ながら取得には至りませんでした。しかし、習得した〇〇の知識を活かして仕事に励んでいきたいと考えています」
「就職活動で思うような結果が出せず、就きたい職業で活かせるスキルを習得するためにアルバイトをしていました。不動産業界で発揮できる知識を習得したので、スキルを駆使して御社に貢献していきたいと考えています」
就職活動や転職活動が上手くいかないのは、アルバイト経験しかないからではなく、自分が応募企業に役立つ人材であることがアピールできていないからです。
正社員として働きたいという姿勢や意欲はもちろん、不動産業界で活かせる経験やスキル、不足しているスキルに関しては自主的に勉強して補っていることを伝えましょう。
どんな業務を行っていたかだけでなく、心がけたことも盛り込むと、良い印象を与える職務経歴書になります。
・アルバイトも正社員もどちらも経験がない方職務経歴書は、大きく分けて「①職務要約」「②職務経歴」「③自己PR」で構成されていますが、アルバイト経験も正社員経験もない方の場合、①と②ではなく、③に特化した職務経歴書(以下、自己PR書)を作成しましょう。
自己PR書とは、自分の経験や長所を、志望動機や入社後のビジョンに絡めてまとめたものです。
ここで注意したいのは、単なる自己紹介の文章ではなく、企業に採用メリットがあると思わせる文章を作成することです。
不動産業界で働く上で「何をどのように学んできたか」「これまでの経験や自分の強みを活かせるか」ということについて記入しましょう。
採用担当者に興味を持ってもらえれば、面接に進める可能性がぐっと高まります。
なお、面接で自己PRの内容について聞かれることもあるため、自信を持って堂々と受け答えできるよう、自己PRについて良く練っておくことが大切です。
力を入れるべきは職務経歴書だけじゃない!失敗しない履歴書の書き方&選び方
就職、転職を行う方の中には、職務経歴書とともに提出する履歴書についても悩む方が多く、書き方に関して手書きが良いのか、パソコンで作成したほうが良いのかという問題が出てきがちです。
そもそも履歴書は、手書きとパソコンのどちらで作成しても問題ありませんし、それが合否に大きく影響することはありません。
ただ、会社によっては手書きのほうに良い印象を持つ方がいるのは事実で、不動産会社もその傾向があると言われています。
「字は体を表す」と言いますが、どんな字を書くかで人となりを判断しようという方は少なくありません。
手書きは人間味が出る部分ですし、丁寧に書いているか、粗雑に書いているかで与える影響も違います。
お客様との信頼関係を大事にしている不動産会社だからこそ、温かみが感じられる手書きを好むのかもしれませんね。
一方、IT業界などはパソコンで書いた履歴書を好む傾向があるのですが、これはある程度のパソコンスキルがあるかを判断している可能性が高いと言えます。
地場の不動産会社なら手書き、ソフトウェアやクラウドなどを多用する大手の不動産会社ならパソコン作成、というように応募企業にあわせて使い分けるのも良いかもしれません。
さらに、「どのような履歴書を選べば良いか」と迷う方も一定数います。
確かに市販の履歴書は種類が多いので迷ってしまいがちですが、職務経歴書を書くことを考えると最低限の項目だけ記載できる履歴書がおすすめです。
職務経歴書には自己PRや志望動機など様々なことを記載するので、履歴書に記載する同項目が少なければ「履歴書と職務経歴書の内容がかぶってしまう」という悩みを防げるでしょう。
履歴書はあくまでも簡単な自己紹介に留め、職務経歴書で詳しい部分を書き足すと認識しておけば迷うことはなくなります。
まとめ
不動産業界に関わらず、職務経歴書は就職、転職活動において第一関門となるとても大切なものです。
ただ何となく書くだけでは、あなたの魅力は伝わりません。
自分に何ができるのか、どう会社に貢献できるのかなど、様々な点を考慮しながら、採用担当者の目を引く職務経歴書を作成してみてください。
このコラムを書いた人
- 飯島 敏輝転職コラム編集長
- 同志社大学卒。いえらぶ不動産転職コラム編集長。 不動産会社専門のコンサルタントとしてキャリアをスタートし、賃貸・売買・管理・投資と業種を問わず、100社超を担当。 企業のソリューション提案を強みとし、 特にWEB制作による集客力改善・1人当たりの営業利益アップ型業務効率化などを提案実施してきた。 現在はその知見を活かし、不動産会社で活躍したい人向けの転職相談を行っており、年間数百名を超える転職相談を行っている。
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