賃貸仲介会社の繁忙期と閑散期はいつ？業務内容は？

賃貸仲介の不動産業者に転職を考えている方のなかには、「繁忙期はいつ？」「どんなことをするの？」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、不動産業界に長く身を置く私が、賃貸仲介会社の繁忙期と閑散期、それぞれどんな業務があるのかなどを詳しく説明していきます。

不動産業界の繁忙期はいつ？

＜もっとも忙しいのは1月から3月＞

なんとなく予想がつく方も多いと思いますが、賃貸仲介会社の繁忙期は主に1月から3月の間になります。

日本では4月に入学や就職、異動などの行事が重なります。

4月からの新生活に向けて、1月から3月の間に多くの人が引っ越しをするからです。

不動産業界全体で見ても、1月から3月はお客様からの問合せが増え、契約数も多くなる傾向にあります。

なかでも賃貸仲介業者は繁忙期と閑散期の差が激しく、繁忙期は大学の合格が決まった学生や新社会人になった人、異動の内示が出た社会人など一人暮らしをするための部屋を探す人が多く訪れ、もっとも忙しい時期となります。

また、訪れるのはあらたに引っ越し先を探す人ばかりではなく、新生活に向けて現在借りている部屋を手放す転居者も多くいます。

賃貸仲介業者は入居の手続きだけではなく、退去の手続きも数多くこなさなければなりません。

＜プチ繁忙期は9月から10月＞

企業の異動が多い9月から10月は、第2繁忙期と呼ばれる時期です。

異動による転勤で一人暮らしの部屋を探す社会人が増え、賃貸仲介業者はこの時期も閑散期と比べて大分忙しくなります。

繁忙期にはどんな業務があるの？

賃貸仲介会社での繁忙期の業務内容は、基本的には通常の時期の業務内容と変わりありません。

ただし、業務の内容は変わりませんが業務の量は通常の倍以上になります。

営業スタッフは、顧客からの問い合わせに対応してから契約を結ぶまでの業務を一日に何件もこなさなければなりません。

契約までの流れを簡単に説明すると以下のようになります。

・問い合わせに対応
・物件の確認、鍵の手配
・物件の案内
・申し込み
・入居審査
・契約金の入金
・契約の締結
・引き渡し

この流れの間に、オーナーへの進歩状況の報告も細かくおこないます。

営業マンは一日に何人ものお客様を対応するため、スケジュールを調整してうまく予定をたてることが大切になります。

慣れてきたら、「1組目のお客様の物件は遠いから、2組目のお客様の待ち合わせは○○時にしてもらおう」と頭のなかですぐに計算できるようになりますよ。

また、入居希望者の対応と並行して、転居希望者の退去手続きや原状回復、あらたな入居者の募集などの業務もおこないます。

「今日は一日中外を歩き周っていた」なんて日もありますが、接客が好きな人や身体を動かすのが好きな人はきっと充実感を味わえると思います。

では、そんな営業スタッフを陰で支える事務スタッフは、繁忙期の間にはどんな仕事があるのでしょうか？

これも、業務内容は通常の時期と変わりありません。

ですが、繁忙期は電話やメール・来店の数が多くなるのでまずはその対応に追われることになります。

契約も増えるので、書類作成や契約後の処理なども必然的に多くこなすことになりますが、焦るあまりミスをしてしまった…なんてことがないように、落ち着いて作業をすることが大切です。

ここまで読んで、「繁忙期がそんなに忙しいなんてついて行けるだろうか…」と不安に思った方もいらっしゃるでしょうか。

ですが、必要以上に心配することはありません。

賃貸仲介会社の場合は、繁忙期の時期に忙しくなることが事前に分かっているので、繁忙期に備えて人員の確保や物件の用意など入念に準備をおこなっています。

賃貸仲介業者は、繁忙期の売り上げが年間売り上げに大きく影響するといっても過言ではないので、営業スタッフと事務スタッフが一丸となり、協力し合いながら繁忙期を乗り切ることに集中しています。

繁忙期を「お祭り」と呼んで、皆で支え合いながら忙しいなかでも充実感を楽しんでいる会社もありますよ。

賃貸仲介会社の閑散期はいつ？

賃貸仲介会社の閑散期は、おおむね引っ越しシーズン外である6月から8月の間になります。

少し意外な理由としては、6月から8月は雨や猛暑が多い気候になるので、急いでいない人は引っ越しを避けるひとつの理由になっています。

閑散期の業務は？

閑散期の業務も通常の時期と同じで、営業スタッフは問い合わせがあれば物件の案内に精を出します。

ファミリータイプの賃貸物件などはわりと年間通して需要があるため、そんなお客様を大切にして1件でも多く成約をあげられるように努力しています。

お客様の対応業務がないときは、部屋の掃除をしたり写真を撮ったりして物件のブラッシュアップをします。

最近ではホームステージングといって、花や雑貨などを飾り室内をモデルルームのように可愛くデコレーションする会社も増えています。

お客様に喜ばれ、オーナーからの信頼も増すので一石二鳥のワザなのです。

私も、過去に入浴剤を1つずつラッピングしてカゴに盛り、「オーナー様より本日のご内覧の御礼です。ご自由にどうぞ」というポップを添えて飾り、お客様とオーナー様に喜んでいただいたことがありました。

また、繁忙期にむけて部屋を仕入れておくのも重要な仕事になります。

オーナーと会って直接交渉をしたり、業者を訪問したり…1件でも多く紹介できる部屋を増やすよう努力します。

繁忙期に入居希望者が部屋を探しに来たときに、どれだけ多くの物件が揃っているかがカギになるからです。

そんな風にして営業スタッフが仕入れてきた物件を、物件検索サイトに載せるなどしてお客様を募集するのは、多くの会社で事務スタッフの仕事になります。

より良い物件の魅せ方を皆で相談し、サイトへの掲載の仕方を工夫するなどして繁忙期に備えています。

また、この時期に社員旅行に行ったり、交代で長期休暇を取らせてくれたりする会社もあります。

まとめ

賃貸仲介会社の繁忙期は多忙とはいえ、「この時期があるから面白い」というスタッフは私の周りにもたくさんいます。

ただし、繁忙期の期間中に長期休みを取りたいという方は、会社によっては希望が通らない、通ったとしても皆が忙しく働くなかでの長期休暇は気まずい思いをすることになるかもしれませんので注意が必要です。

気になっている方は、是非応募してみてはいかがでしょうか。

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