トランプ氏が不動産王になったわけ

父とは違う経営手法で米トップへ!トランプ氏が不動産王になれた理由

執筆者の画像飯島 敏輝

無料転職サポート

ご希望に合わせて求人のご紹介も

無料会員登録

あなたの転職の相棒に、不動産転職専門エージェント|無料会員登録
タグ:

第45代アメリカ合衆国大統領であるドナルド・ジョン・トランプ(Donald John Trump)氏は、全米にホテルやカジノ、ゴルフ場などを所有する不動産王としても知られています。

数ある資産の中でも、ニューヨークにある「トランプタワー」や「トランプ・ワールド・タワー」は有名ですよね。

そんな実業家としての顔を持つトランプ氏に憧憬を抱き、不動産業界へ飛び込もうとする方も少なくはないでしょう。

そこで今回は、トランプ氏がどのようにして財を築き、名を成したのかと言う点をメインに据えて、経歴や経営手腕などを解説していきます。

※記事内でドナルド・ジョン・トランプ氏のことを敬称略で記載している場面がありますが、記事の調和・リズム・読みやすさを重視した結果であり、トランプ氏を軽視しているわけではありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

世界の目を引く不動産王「ドナルド・トランプ」はどんな道を歩んできたのか

父親が経営する不動産会社へ入社後、後継ぎに

1946年6月14日、ニューヨークの一角で、のちの不動産王であり第45代アメリカ合衆国大統領になるドナルド・ジョン・トランプ(Donald John Trump)氏は産声をあげました。

不動産開発会社を経営するやり手の父のもとで、メキメキとその頭角をあらわしたトランプ氏。

1968年に名門校として知られるペンシルバニア大学ウォートン・スクールにて経済博士号を取得し、卒業しています。

元々はフォーダム大学へ進学したのですが、不動産の専門学科で学ぶためにペンシルバニア大学へ籍を移したそう。

この時点ですでに、父のように不動産業界で生計を立てると決めていたのでしょう。

事実、卒業後は父が経営する不動産開発会社に入社し、主にニューヨーク州での不動産開発事業に携わっています。

不動産に関する知識をスポンジが水を吸うがごとく吸収していったトランプ氏は、ホテルやオフィスビル、商業施設などの開発を手掛け大成功を収めます。

さらに、1980年代から90年代ごろには大規模な不動産を次々に買収。ドナルド・ジョン・トランプの名が全米各地に広まるきっかけとなりました。

1946年:6月14日にニューヨーク州クィーンズにて生を受ける

1964年:ニューヨーク・ミリタリー・アカデミーを卒業後、フォーダム大学に2年間在籍

1968年:ペンシルバニア大学ウォートン・スクールを卒業(経済学)

1969年:父親が経営する不動産開発会社「エリザベス・トランプ・アンド・サン(Elizabeth Trump and Son)」に入社し、ニューヨーク州の不動産開発事業に携わる

1971年:父親から社長の座を引き継ぎ、社名を「トランプ・オーガナイゼーション(Trump Organization)」に変更する

2004年:リアリティ番組「アプレンティス」をプロデュースし、自身も出演

2015年:大統領選への出馬を表明

2017年:第45代アメリカ合衆国大統領に就任(任期4年)

父親とは違った経営戦略で不動産の頂点に

アメリカニューヨークの土地・ビル

トランプ氏の父親が経営する不動産開発会社は、低中所得者向けにビジネスを展開していたこともあり、比較的堅実なビジネスを行っていました。

一方、トランプ氏が好んだのはスケールの大きなビジネス。

借金をして多額の資金調達を行い、ホテルやマンションなどの豪華で高額な不動産に投資する手法を取ったのです。

同じ不動産業でも、親子でここまで対照的なビジネススタイルを取るのは驚きですよね。

トランプ氏が手掛けた代表的な不動産は、高級ホテルのオーナシップを提供している「トランプ・タワー・ワイキキ」や、ゴルフコース「トランプ・ナショナルGCロサンゼルス」などの有名なものばかり。

中でも、ニューヨークに燦然と輝く超高層ビル「トランプ・ワールド・タワー(Trump World Tower)」は圧巻の一言でしょう。

高さ861フィート(262m)、72階建て、総工費3億2,500万ドル(約352億8,000万円)というかなりビックスケール。居住用ビルとしての役割を担っており、これまでに数々の著名人、世界でもトップクラスの富裕層が利用していました(現在は商業テナントも入っている)。

それらも含め、トランプ氏が所有する不動産は彼のステータスとなっています。

巨額の債務に苦しみながらも上を目指す不動産王の姿

アメリカ人ビジネスマンの後ろ姿

トランプ氏はニューヨークやラスベガス、ワイキキ、アトランティックシティといった、大きな都市や観光地にある好立地な不動産を所有・建築しています。

これらの物件のほとんどは新築で、交通アクセスも良い不動産なのだとか。好条件の物件は入居率が必然的に高くなるので、安定した収益が見込めますよね。

事実、トランプ氏は不動産開発や投資によって増やした資金を使い、好条件の物件を扱うことで成功を収めたと言われています。

しかし、類まれなる商才を持ち不動産王とまで呼ばれるようになった彼の人生は必ずしも順風満帆ではなく、気が遠くなるような巨額の債務に苦しんだ時期もありました。

トランプ氏が行う派手なビジネスは、当然ながら莫大な資金が必要になります。

そのため彼は社債を発行して資金調達に奮闘しましたが、利回りが14%と非常に高く、これが後々自分の事業を苦しめる原因となったのです。

この他、新規事業によって借金を抱えたりカジノやホテルが倒産したりと、様々な不幸に見舞われ大きな負債を抱えることもありました。

ただ、不動産王トランプはその度に復活を遂げてきました。

多額の借金を抱え、挫折しても乗り越えてまた復活する。そんなタフさもトランプ氏の魅力の一つとして語られています。

何度でもその位置へ 借金を抱えてなお復活できたのはなぜ?

ニューヨーク証券取引所

多くの負債を抱えながら、何度も不動産業界の頂に戻ってきたトランプ氏。なぜ大きな借金をしても、倒産しても復活できたのでしょうか。

トランプ氏はこれまでに4回も会社を破産させています(1991年、1992年、2004年、2009年)。

一時期は負債が約9億ドル(約975億7,000万円)にも膨れ上がったそうで、"世界一貧乏な男"と揶揄されたこともあるそうです。

トランプ氏は負債を清算するのではなく、民事再生※を利用して会社を存続させ、再生させてきました。

※会社の資産を残し、法律の下で債務の減免を受けながら利益の出る水準まで経営の効率化を図る方法。アメリカでは、連邦倒産法第11章という法律に記載されている。

負債を全て白紙に戻すことは可能ですが、その先はありません。

そのため、トランプ氏は負債を清算するのではなく、民事再生によって破産した会社を活用し、次の可能性が残る道を選択してきたのでしょう。

この他、トランプ氏は「大富豪」「成功者」といった世間が自身に持つイメージを利用したり、ニューヨーク証券取引所へ上場申請を行ったりと様々な手法で資金調達を行い、危機を乗り越えてきたと言われています。

巨額の負債を抱え、破産に追い込まれながらも、華麗な復活を遂げたトランプ氏。

何度も何度も不動産業界の頂に戻ってこられたのは、どんなに苦しいときでも復活の野望を持ち続け、諦めずに取り組んだからなのかもしれません。

慎重で策士な一面も 不動産王としてのカリスマは彼のポリシーから生まれた

青いネクタイをしめるアメリカ人男性

トランプ氏を言葉で表すなら、「大胆不敵」で「過激」と言ったところでしょうか。

実際、彼の発言は歯に衣着せぬ物言いが多く、煽られたことで黒いバッシングを投げつける方も少なくありません。

ただ、彼を支持するファンがいるのも紛れもない事実。それは、彼がただの怖いもの知らずの激情家というだけではないからでしょう。

良くも悪くも注目される立ち位置にいることから過激な面ばかりが表に出がちなトランプ氏ですが、意外にも不動産の取引には慎重とのこと。

「常に最悪を予想して取引に臨む」「可能性を多く残しておくことが自分のやり方」と話しており、一つの取引に対して成功に導く計画を5~6パターン用意しているとも言われています。

彼が不動産王に君臨し続けられるのは、常にリスクを把握して複数の計画を考える慎重さと、破産してなお復活の可能性を残す策士な部分があるからこそ。

その派手なパフォーマンスから悪意ある中傷を受けるトランプ氏ですが、不動産王としてのカリスマ性は多くの人を引き付けてやみません。

不動産だけじゃない!異業種への投資で資産を増やす豪胆さ

アメリカの紙幣と硬貨

トランプ氏にとって、資産を増やす手段は何も不動産だけではありません。

プロフットボールのオーナーを務めたり航空業界へ進出したりと、積極的に異業種のビジネスへ投資を行い、資産を増やそうと試みました。

当然、全てのビジネスが成功したわけではありません。

しかし、この豪胆さがうかがえる積極的な投資手法がトランプ氏を世界的に有名にした理由の一つなのは間違いないでしょう。

アメリカだから成功した?日本とは違う不動産職の地位

書類を見るアメリカ人のビジネスパーソン

トランプ氏のやり方について、「アメリカだからビジネスが成功したのだろう」と考える方もいるでしょう。

確かに、トランプ氏のように派手な成功を収めるには、日本はまだ力が足りません。

というのも、アメリカには「セールスパーソン」「ブローカー」という2つの不動産資格があります。

日本で言う「宅地建物取引士(宅建士)」と思ってもらえれば大丈夫です。

日本では無資格者が不動産の価格や販売の有無を話しても問題ないですが、アメリカでは"法律違反"になります。

例えば、

「中古の戸建てを探しているのですが〇〇の看板にある物件はまだ販売していますか?」

「価格はいくらですか?内見をしたいのですが可能でしょうか?」

などの質問に対して、資格のない社員が受け答えする場面は日本では普通にありますが、アメリカでは有資格者が対応しないといけない決まりになっているのです。

アメリカでは、不動産資格は医者や弁護士と同じくらい地位の高い資格とのこと。トランプ氏が不動産の勉強のために大学を変えたというのも、頷けますよ。

大変なイメージがいまだ根強い不動産業界。アメリカのように資格の地位向上が確約されれば、働きたいという方も増えるのかもしれませんね。

まとめ

不動産王=ドナルド・ジョン・トランプ。巨万の富を得て、大統領にまで上り詰めた彼の生き方に憧れる方は少なくありません。

そんな彼の最大の魅力は、何度失敗しても諦めないポジティブマインド。

不動産業界は、決して甘い世界ではありません。一つでも多く契約を取るのはもちろん、お客様を満足させることも重要なミッションと言えます。

そんな世界で不動産王とまで呼ばれるようになったのは、一重に努力と強い心、セルフプロデュース力があったからではないでしょうか。

現在、不動産業界で働いている方はもちろん、これから不動産業界へ飛び込もうと考えている方にとっても、彼の生き方は参考になるでしょう。

アメリカ大統領として目にする機会が多いですが、不動産業界の視点からトランプ氏を見つめると新しい発見があるかもしれませんよ。

【必見!】人材不足もサポート>2年で管理戸数を倍増させた高効率賃貸管理モデルとは?

あなたの転職の相棒に、不動産転職専門エージェント|無料会員登録

Related article関連記事

このコラムを書いた人

執筆者の画像

飯島 敏輝転職コラム編集長
同志社大学卒。いえらぶ不動産転職コラム編集長。 不動産会社専門のコンサルタントとしてキャリアをスタートし、賃貸・売買・管理・投資と業種を問わず、100社超を担当。 企業のソリューション提案を強みとし、 特にWEB制作による集客力改善・1人当たりの営業利益アップ型業務効率化などを提案実施してきた。 現在はその知見を活かし、不動産会社で活躍したい人向けの転職相談を行っており、年間数百名を超える転職相談を行っている。

記事一覧へ戻る

シニア専門の施工管理求人|シニアジョブ

カテゴリ一覧

タグ一覧

人気記事ランキング

無料転職サポート

ご希望に合わせて求人のご紹介も

無料会員登録

無料サポートを活用して内定率アップ!

転職のお悩み・ご相談など、お気軽にご連絡ください!

転職アドバイザー直通ダイヤル10:00~18:00(日曜、年末年始を除く)

でいつでも気軽に
ご相談したい方はこちら
で相談する

無料転職サポート

ご希望に合わせて求人のご紹介も

無料会員登録