不動産業界の将来性

不動産業界の市場動向と将来性について

執筆者の画像飯島 敏輝

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目次

  • 不動産業界の現在の市場動向
  • 不動産業界が抱える現状の課題①「人口減少による物件の飽和」
  • ・情報公開のIT化

    不動産業界には、業者間で様々な不動産情報を閲覧・登録できる"レインズ"という仕組みがあります。

    ただ、これらの情報は顧客には公開されないため、不動産会社と顧客との間に情報格差が生じ、それが住宅購入に歯止めをかけていると予想できるのです。

    不動産は大きな買い物です。住宅購入を希望するお客様は「本当に買っても良いのか」という不安を抱えており、当然、情報格差によって生まれる不信感はお客様の決断力を鈍らせる要因となります。

    そのため、一刻も早く情報公開のIT化を推進し、誰でも簡単に情報を得られる仕組みを構築する必要があるでしょう。

    実際に中古住宅業界では、ビックデータ解析を用いた情報公開システムを運用し、お客様に安心感と信頼感を与える取り組みを始めています。

    またマンションスコア(想定価格)を公開し、無店舗運営※3や手数料の割引を実施している企業も出てきています。

    ・ブロックチェーンの活用

    暗号通貨としてのイメージが強かったブロックチェーンですが、2008年の誕生から約10年経った現在、各産業でブロックチェーンの活用が始まっています。

    不動産業界も例外ではなく、大企業を中心にブロックチェーン技術を応用した情報管理システムを活用する動きが見られているのです。

    例えば賃貸物件の場合、物件の確保や管理、入居者探し、入居希望者の案内、契約締結まで様々な手順を踏み、複数の業者とやり取りをする必要があります。

    しかし、ブロックチェーンをプラットフォームとしたIotアプリケーション※4を利用すれば上記のサービスを一括で行えるため、スピーディーな働きによって顧客満足度の向上が期待できるのです。

    また、この先個々の不動産会社が相乗りしやすいIotアプリケーションができれば、業界全体が連携しながら支え合う仕組みが構築されるかもしれません。

    ※3 無店舗運営と言っても、売買の相談や契約までのサービスは従業員によるサポートを基本としている。

    ※4 IoT(アイオーティー)とは「Internet of Things」の略で、"モノのインターネット"という意味。PCだけでなく、スマホやタブレット端末、スピーカー、カメラ、テレビなどのあらゆる身の回りの"モノ"がインターネットにつながる仕組みを指す。

  • 不動産業界が抱える現状の課題②「人材不足による業務効率の低下」
  • AI導入に期待 これからの不動産業界と将来性について
  • まとめ

転職する際、気になるのがその業界の市場動向と将来性ですよね。

「せっかく転職したのに先がない…」となるとやる気も削がれてしまいますし、「そもそも将来性がないなら転職なんてしなかった」と思う方も出てくるかもしれません。

ましてや現在の日本は少子化問題が浮き立ち、それに伴う労働者不足にまで発展しているため、業界の浮き沈みに敏感になっている方が多いでしょう。

それは活況とされる不動産業界も例外ではなく、将来のために乗り越えなくてはならない課題が山積みです。

そこで今回は、不動産業界の現在の動向と最たる課題、将来性についてお話していきます。

不動産業界の現在の市場動向

不動産業界の市場動向

東京五輪の開催を前に沸き立つ日本では、2019年10月の消費税引き上げによる駆け込み需要も相まって、不動産業界が活況にあります。

特に都内は大規模な商業ビルが開発されたり、タワーマンションの建設ラッシュが続いたり、新築住宅の着工数が増加傾向にあったりと、不動産の売れ行きだけでなく賃貸状況も好調とされているのです。

事実、財団法人不動産流通推進センターが公表した「不動産業統計集(2019年3月期改定版) 」によると、不動産業界の市場規模は2016年度で約43兆円(前年比約9%増)にも上ります。

同年の経営利益も右肩上がりで、利益率に関しては全産業を通してトップレベルにまで至っています。

また財務省の「法人企業統計調査 」でも、不動産業界は国内4位を誇る一大マーケットに成長しており、不動産市況においても全体的に上向き傾向が見られるという結果が出ているのです。

しかし、いくら不動産市場の景気が好調と言っても、この先もずっと安寧が続くとは限らず、専門家の中にはオリンピック開催時期になると不動産市場が低迷すると予想する方もいます。

というのも、不動産業界がこんなに好況なのは五輪特需(ごりんとくじゅ)※1を見込んだキャピタルゲイン※2によるもの。五輪開催前には大量の不動産が売却され、バブルが弾けて地価が暴落すると言われています。

加えて、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少によって購買意欲が下がる他、土地を含めて不動産価値が暴落すると予想されるため、不動産市場が低迷する、冷え込むと言われているのです。

もちろん、好景気が永遠に続くわけがないというのは不動産業界に身を置く方々こそが一番に感じていることですし、それに向けた施策をすでに打ち出している企業も少なくありません。

こうした動向から推測するに、大事なのは好景気が終わることを悲観することではなく、不動産業界に根付く慢性的な課題を解決することと言えるでしょう。

※1五輪開催によって生まれる大きな需要を意味する言葉。オリンピック特需とも呼ばれる。五輪特需の中でも代表的なのが建造物を増やす需要であり、新国立競技場などの建設もこれにあたる。

※2 株式や債券といった保有資産を売却した際に得られる売買差益のこと。

不動産業界が抱える現状の課題①「人口減少による物件の飽和」

需要と供給のバランスが崩れる

現在、不動産業界が抱える課題は大きく二つあり、一つが「人口減少による物件の飽和」です。

現在の日本は少子高齢化の真っただ中。このまま少子高齢化が加速度的に進み、生産年齢人口(若者を中心とする働き手の数)が減ると、当然アパートやマンションの需要も減っていくと予想できます。

そうなると、人口が多いはずの都市部でも空室や空き家が目立つようになる他、新築・中古住宅が売れず、商業ビルのテナント状況も芳しくない結果につながる可能性が出てくるでしょう。

そのため、不動産業界は人口減少を見据えた上で、いかに物件販売の流通網を構築するかを考えなくてはなりません。

上記の対策として、「情報公開のIT化」と「ブロックチェーンの活用」があげられます。

・情報公開のIT化

不動産業界には、業者間で様々な不動産情報を閲覧・登録できる"レインズ"という仕組みがあります。

ただ、これらの情報は顧客には公開されないため、不動産会社と顧客との間に情報格差が生じ、それが住宅購入に歯止めをかけていると予想できるのです。

不動産は大きな買い物です。住宅購入を希望するお客様は「本当に買っても良いのか」という不安を抱えており、当然、情報格差によって生まれる不信感はお客様の決断力を鈍らせる要因となります。

そのため、一刻も早く情報公開のIT化を推進し、誰でも簡単に情報を得られる仕組みを構築する必要があるでしょう。

実際に中古住宅業界では、ビックデータ解析を用いた情報公開システムを運用し、お客様に安心感と信頼感を与える取り組みを始めています。

またマンションスコア(想定価格)を公開し、無店舗運営※3や手数料の割引を実施している企業も出てきています。

・ブロックチェーンの活用

暗号通貨としてのイメージが強かったブロックチェーンですが、2008年の誕生から約10年経った現在、各産業でブロックチェーンの活用が始まっています。

不動産業界も例外ではなく、大企業を中心にブロックチェーン技術を応用した情報管理システムを活用する動きが見られているのです。

例えば賃貸物件の場合、物件の確保や管理、入居者探し、入居希望者の案内、契約締結まで様々な手順を踏み、複数の業者とやり取りをする必要があります。

しかし、ブロックチェーンをプラットフォームとしたIotアプリケーション※4を利用すれば上記のサービスを一括で行えるため、スピーディーな働きによって顧客満足度の向上が期待できるのです。

また、この先個々の不動産会社が相乗りしやすいIotアプリケーションができれば、業界全体が連携しながら支え合う仕組みが構築されるかもしれません。

※3 無店舗運営と言っても、売買の相談や契約までのサービスは従業員によるサポートを基本としている。

※4 IoT(アイオーティー)とは「Internet of Things」の略で、"モノのインターネット"という意味。PCだけでなく、スマホやタブレット端末、スピーカー、カメラ、テレビなどのあらゆる身の回りの"モノ"がインターネットにつながる仕組みを指す。

不動産業界が抱える現状の課題②「人材不足による業務効率の低下」

忙しいビジネスパーソン

不動産市場の冷え込み以上に深刻に受け止めなくてはならないのが、人材不足です。

大企業を中心に本格的なデジタルインフラ整備が進む一方で、中小規模の不動産会社、いわゆる「街の不動産屋さん」では、人材の確保、育成、流出防止が最優先課題となっています。

「不動産業統計集(2019年3月期改定版)」をより詳しく見ていくと、不動産業界では法人数が年々増加しているのに対し、1事業所あたりの従業員数はわずか3.3人。

全産業の平均数10.4人から鑑みても、圧倒的に少ないことが分かるでしょう。

そもそも、不動産業界の人材不足の背景には、長時間労働などの働き方が関係しています。

「街の不動産屋さん」にあげられるような中小規模の不動産会社では、他業種と比べてややデジタル化が遅れ気味です。

物件情報や顧客情報を手入力したり、帳票や日報を手書きしたり、中にはそれらをデータではなく紙で管理している企業もあります。

賃貸や売買などを行う不動産業界の仕事は煩雑になりやすいもの。加えて、高額商品を扱っていることも関係し、内覧や商談、契約などに多くの時間を要します。

そんな中でデジタル化が遅れているとなると、単純に業務量が増えるため、当然長時間労働の扉を開かざるを得ないわけです。

現在、これらの課題解決に向けて、不動産業界全体で働き方改革が始まっています。

業務効率化を目先の課題に据え、残業時間短縮の取り組みに励む企業は多く、その取り組みは「街の不動産屋さん」にも広がっています。

顧客のデータ管理、帳票および契約書のデザイン作成などをシステム化する動きも徐々に見られてきており、人材不足を補う土台が構築されつつあると考えられるでしょう。

AI導入に期待 これからの不動産業界と将来性について

不動産業界の将来性AI

大きな課題を抱える不動産業界ですが、業界全体に上手くIT化の流れが行き渡れば現状の課題を少しずつクリアでき、従業員の働き方も良い方向に変わっていくでしょう。

また、もう少し先のことを述べるなら、事務などの単純なサポート作業はAIに成り代わる時代がやってきます。

お客様のニーズに合う物件を瞬時に洗い出したり、不動産の物件価格を判定して値付けしたりと、人が続けていくにはコストがかかり難しい業務を、AIに任せることになるはずです。

AIが業務の一部を受けることになるため、一人ひとりの負担が減り、今よりも働きやすくなる未来がやってくることが予想されます。

ただ、不動産業界は信頼が何よりも大切ですし、お客様と顔をあわせて話すことで成約につながる瞬間も多々あります。

お客様の言動、態度を見ながら、その場その場でより良い提案をしていくことも望まれるため、AIによって人の仕事がなくなるわけではないと覚えておきましょう。

AIと人のすみ分けをきちんと行うことで、不動産業界はより良くなり、今後ますます将来性のある事業へと成長していくのかもしれません。

まとめ

東京五輪開催など様々な要因から活況にある不動産業界では、経験や資格の有無、年齢に関係なく広く門戸が開かれています。

解決が叫ばれる2つの課題はありますが、解決に向けた取り組みは始まっていますし、起こり得る問題に向けて様々な動きも見られるため、将来性についても大きく心配することはないでしょう。

しかし、これからの不動産業界を担う人材には情報管理のIT化やIotアプリケーションなどの新しい技術に抵抗がない方、多少のスキルを有している方が求められることが予想されます。

新しいことにも果敢に挑み、常に学ぶ姿勢を持てる方にはチャレンジしやすい業界となっているので、現在の市場動向と将来性を見極めつつ、就職・転職活動を進めてみてください。

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このコラムを書いた人

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飯島 敏輝転職コラム編集長
同志社大学卒。いえらぶ不動産転職コラム編集長。 不動産会社専門のコンサルタントとしてキャリアをスタートし、賃貸・売買・管理・投資と業種を問わず、100社超を担当。 企業のソリューション提案を強みとし、 特にWEB制作による集客力改善・1人当たりの営業利益アップ型業務効率化などを提案実施してきた。 現在はその知見を活かし、不動産会社で活躍したい人向けの転職相談を行っており、年間数百名を超える転職相談を行っている。

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