未経験でも建築士になれる？建築設計士への転職

「未経験でも建築士になれる？建築設計士への転職」

建築設計士の主な仕事内容は、法律に則って建物の建築設計や建築現場の監理などをおこなうことです。

社会人経験を経て建築士を目指したくなったという方もいるでしょう。未経験者でも、建築士に転職できるのでしょうか。

そこで今回は、建築士の仕事内容や未経験でも転職が可能なのか、建築士になるために伸ばすべきスキルや転職で留意すべき点について解説します。

建築士の仕事内容とは？資格は必要？

先に述べた通り、建築士の主な仕事は建築設計をおこなうことです。

より具体的に説明すると、住宅やビルなどの建物を設計したり、作成した設計図をもとに建築現場の指導や管理をおこなったりします。

設計にあたっては、予算とお客様（施主）との要望に折り合いをつけてプランを提案し、設計します。

建設会社や設計事務所に属したり、独立開業したりと、自身に適したスタイルで働けるのも建築士の特徴の一つと言えるでしょう。

また、建築士の資格は国家資格です。

一級建築士、二級建築士、木造建築士といった資格がありますが、木造建築士はいくつかの規制があり、実務上不利な部分が多々あるためあまり活用されていないのが実情です。

実務上では一級建築士、二級建築士の資格を求められることが多いと言えます。

建築設計の仕事が未経験でも建築設計士になれる？

建築設計の仕事の未経験者は建築士になれないと思われがちですが、年齢や経験に関係なく建築士になること自体は可能です。

もちろん、学校などで建築の基礎を学ぶ必要はありますが、設計事務所などに就職する際は資格の有無はあまり関係なく、あくまでも資格は独立開業のときに必要とされるだけなのです。

そのため、設計事務所や建築会社などに転職して仕事をしながら資格取得を目指す方も多く、実際に社会人経験を積んだ20代後半～30代、40代の方が建築士を目指しているという事例もあります。

資格を取るためには資格試験だけでなく、一定期間の実務経験が必要になるため、建築士への転職を検討しているなら、まずは設計事務所などで知識と経験を身につけ、スキルを磨きましょう。

なお、建築士募集の求人のなかには、募集条件として「建築士資格を有する方」と明記しているものもあります。

その場合は、即戦力になる実務経験が豊富な人材を求めている場合が多いので、未経験者では採用してもらうのが難しいことがあります。「未経験者可」と明記されている求人募集を探してみましょう。

転職して未経験から建築設計士になるには？

建築士になる一番の近道は、大学や専門学校で建築を勉強してから実務経験を積むことです。

建築学科などを修了していない場合は、働きながら専門学校に通うという選択肢もありますが、仕事を終えてから学校に通うのは、時間面でも金銭面でも大変なことです。

学校に通う以外にも、未経験で建築設計士になる方法がないわけではありません。

実務経験を積んで、建築設計士の受験資格を得るという方法もあります。

しかし、「実務経験を積む」と言っても、簡単なことではありません。

建築設計士の受験資格を得るためには、7年の実務経験が必要になります。

例えば30歳から目指した場合、受験資格を得られるのは37歳以降になってしまいます。

もし、社会人として実務経験を積みながら建築設計士の資格取得を目指すのであれば、少しでも早くから始める方が有利であることは言うまでもないでしょう。

7年の実務経験を積むのが大変な場合は、仕事をしながら建築系の専門学校に通う方法がおすすめです。

先にも述べたように、時間的にも金銭的にも大変な方法ですが、学校で勉強をすれば最短２年で建築設計士の受験資格を得ることができます。

会社によっては、建築設計士の資格取得のためのサポートをしてくれるところもあります。

建築設計士を目指して転職したい場合、そのような会社を調べてみると良いでしょう。

未経験者が建築設計の仕事をするなら3つの能力を伸ばそう

建築設計の仕事において重要な能力は、「テクニック」「デザイン力」「スタンス」の3つです。

＜テクニック＞

建築設計の仕事におけるテクニックとは、建築に関する知識や図面の描き方、立体把握力、模型の作り方といった"手"を動かす能力や技術のことです。

このテクニックは、就職・転職後、最初に求められる能力だといえるでしょう。

＜デザイン力＞

設計時述だけでなく、建築を"もの"と"こと"の両面から捉え、デザインできる能力が建築士には求められます。

同時に、デザインに対する集中力や持続力、クライアントの要望を聞き出して形にしていく能力なども必要です。

＜スタンス＞

自身がどのようなスタンスで設計活動を行っていくのかを明確にし、それをコントロールする能力です。

これは、独立開業の際に必要となる能力と言えます。

設計活動を行う上で、表現者および経営者として何を大事にすべきなのか、軸となる考え方や方向性について意識することが大切です。

建築設計士への転職！未経験者が知っておきたいこと

建築と言うと、天才建築家として知られる「アントニ・ガウディ」を思い浮かべる方もいるでしょう。

彼の感性は独特で、見る人の心を掴んで離さない不思議な魅力があります。

しかし、ガウディのように芸術品に近い建築物を手掛ける機会は、残念ながら現代社会では多いとは言えません。

一般的に、建築士が設計するのは一般の方が使用する建築物です。

良い意味で街や風景に溶け込む凡庸さと、いかに実用的で利便性が高いかが求められます。

一般人や普通の人の感覚を意識し、それを持ち続けることで、お客様に喜ばれる建築設計が叶うという点を心にとどめておきましょう。

まとめ

未経験からでも転職をして建築士を目指すことは可能です。

ただし、未経験といっても建築の基礎知識は必要と言えるため、学校への通学も視野に入れて転職を考えてみてください。

卒業後は、設計事務所などで働きながら資格取得を目指すケースが多いです。また、資格の有無を問わない建築会社や設計事務所も多数あります。

建築士に興味がある方や建築業界への転職を検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

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