転職希望者必見！建築模型士の仕事内容と将来性について

建築模型士の仕事は、住宅などの建物を建てる際に立体的なミニチュア模型を作ること。

実際の図面に沿って立体的な模型を作るため、建物の完成イメージがつきやすく、変更点や改善点などを洗い出すことにも役立ちます。

そこで今回は、建築・建設業界への転職を検討している方に向けて、建築模型士の仕事や資格、将来性などについてご紹介します。

建築模型士の仕事とかかわりの深い3つの建築模型

前述したように、建築模型士は家や施設の立体的なミニチュア模型を作るのが仕事です。

建築模型には「住宅模型」「スタディ模型」「展示用模型」の3つがあり、それぞれで役割が異なります。

・住宅模型

一戸建てやマンションなどの住宅や、施設などを作る際に作られる模型。

図面に基づいたサイズで作るので建物の完成イメージがしやすく、またライフスタイルもイメージできるよう、住宅部分だけでなく人や家具、木などの細部まで丁寧に作られています。

様々な角度からインテリアやエクステリアを見られるので、打ち合わせやプレゼンテーションなどに多用されます。

建築模型の仕事としては、もっとも依頼が多いのではないでしょうか。

・スタディ模型

シミュレーション用に製作される建築模型で、検討模型やボリューム模型などとも呼ばれます。

設計といっても最初から上手くいくわけではなく、一流の建築家でも何十回にもおよぶ試行錯誤を重ねます。

その際、形や大きさ、収まりに問題はないか、そのまま建築しても大丈夫かなどを確認するために作られるのがスタディ模型なのです。

形状の変更がしやすい簡易的な作りが特徴的なので、精度よりもスピードが求められます。

複雑な細工や色付けなどは行われないシンプルな模型ですが、建築の過程において欠かすことのできない大切なものと言えるでしょう。

・展示用模型

展示用模型（完成模型）は、その名の通り展示を目的とした模型で、作るものも街並みや施設、史跡など様々です。

たとえば、官公庁や公共機関、研究施設、観光施設のエントランスなどに飾られているミニチュア版の模型や、建築・建材展などに出展する作品なども展示用模型にあげられます。

実際の建物の何分の1スケールというように、かなり細部にもこだわって作られており、建物やその敷地、植樹なども含めて製作されることから、来場者に施設の全体像を伝えるのに役立ちます。

様々な素材を使い、塗装にもこだわってリアリティを追求するため、かなりの腕が要求されます。

建築模型士の仕事には資格が必要？

結論から言うと、建築模型士の仕事に資格は必要ありません。

しかし、建築図面を理解する能力などが必要になるので、建築の基礎的な知識を身につけることに注力すると良いでしょう。

大学や専門学校で建築について学ぶのはもちろん、通信講座を受講することでも知識や技術を学べるので、時間や経済的余裕などを考慮して、自分に合ったものを選択してください。

なお、通信講座によっては建築模型の資格を取得できるものもあります。

建築模型士の仕事に資格は必要ないと述べましたが、資格があることで自分の知識や技術を客観的にアピールできるので、少しでも転職を有利に進めたいという方は取得しておいて損はないでしょう。

建築模型士の仕事に将来性はあるのか

近年、バーチャルリアリティーや3DCATなどの普及により、建築模型士の需要は減りつつあります。

しかし、だからといって求人がゼロというわけではなく、建築模型士募集の求人を出している企業も少なからずあります。

また、最近では在宅やフリーランスで模型製作の依頼を引き受ける方もいるようですし、そちらに仕事を依頼する方も一定数いるようです。

現在、建設業に携わっている方、建築やCADの勉強をしている方、建築CGを学んでいる方がプラスアルファで取得すると、仕事の可能性が広がって良いかもしれませんね。

まとめ

建築模型士の仕事は、プラモデルのような細かい作業が好きな方や、長時間集中して作業を行える方に向いています。

需要は減りつつありますが、まだまだ建築模型士を必要としてくれる企業はありますし、すでに建築・建設業界に携わっている方がスキルの一つとして習得するのも良いでしょう。

資格が必要なく、未経験者採用の求人もあるので、興味のある方は企業説明会などを受けた上で転職を検討してみてはいかがでしょうか。