就職や転職を考えている方が、気になるポイントはいくつかありますが「有給休暇」もその一つではないでしょうか。
働いてばかりだと疲れやストレスも溜まります。
たまに長期休暇を取って旅行に行ったり、趣味に没頭する時間を作ったりしたいと考えるのは当たり前のこと。
制度として有給休暇があっても取得できないのではないか、すでに働いている方たちは有給休暇が取れているのだろうかと不安になるのも当たり前のことです。
今回は、多くの方が不安に思うであろう有給休暇消化についてご紹介します。
労働基準法改正による有給休暇の消化義務化とは
まずみなさまが、気になる有給休暇の消化義務ですが…
平成31年4月から年間5日の有給休暇消化が義務化されています。
では、対象者は正社員だけなのかと疑問に思われるでしょう。
対象者は管理職・社員・パートタイム(アルバイト・派遣)を含む労働者でいくつかの条件がありますが、条件に関しては後程ご説明しますね。
※パートとアルバイト・派遣に法的な違いはありませんので法令上「パートタイム」と記載されている場合はアルバイト・派遣も含みます。
今回の労働基準法改正は、今まで有給休暇の制度があっても実際に取得した方が少なかったため、法律で義務化することによって強制的に取得させようとの考えからきています。
厚生労働省が行っている最新の「就労条件総合調査」では、平成30年の1年間の有給休暇日数は1人平均18日で実際に取得した日数は9.4日、取得率は52.4%。
この日数を多いとみるか少ないとみるかはそれぞれの考えがあると思いますが、ここ10年ほど取得率は50%を切る数字で推移していましたので改善はしています。
しかし、世界的にみると50%前後では最低ランクと言わざるを得ない状態。
その状態を改善するために、労働基準法を改正し有給休暇の「消化」を義務付けて違反した企業に罰則を設けています。
その罰則も軽くはありません。
・年5日の有給休暇を消化させなかった場合
30万円以下の罰金が科せられます。
・労働者の希望する時季に所定の有給休暇を与えなかった場合
6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。
※労働者1人に対して1つの罪ですので人数分加算されますが、基本は労働基準監督署の監督指導で改善
・使用者による時季指定を行うケースでその旨を就業規則に記載していない場合
30万円以下の罰金が科せられます。
※使用者とは企業側のこと ※時季指定とは季節やシーズンのこと
このような罰則を設けて企業側の考えも変えていこうとしています。
労働基準法改正にともなう有給休暇消化義務化の対象は?適用はいつから?
それでは、義務化の対象となる労働者の条件ですが前提条件が…
・雇用から6ヵ月以上継続して働いている
・全労働日の8割以上の出勤
上記条件を満たすと年に10日以上の有給休暇が取得できます。
そして、年5日の消化義務は年10日以上の有給休暇がある方です。
正社員やフルタイム勤務であれば、全員が該当すると思って間違いないでしょう。
では短時間勤務のパート・アルバイト・派遣はどうなるのか気になりますよね。
年10日以上の有給休暇取得が条件ですので…
・週4日勤務で週30時間未満の労働時間の場合は3年6ヵ月以上継続して働いている方
・週3日勤務で週30時間未満の労働時間の場合は5年6ヵ月以上継続して働いている方
上記の条件を満たしている方は対象です。
短時間勤務だから有給休暇がないと思っている方も多いので注意してくださいね。
つぎは、いつから適用されるのかについてご説明します。
・2019年4月1日入社で半年後に有給休暇取得(年10日以上)
2019年10月1日から適用となり、1年間(2020年9月30日まで)の期間で5日の有給休暇消化が義務
・2019年2月1日入社で半年後に有給休暇取得(年10日以上)
2019年8月1日から適用となり、1年間(2020年7月31日まで)の期間で5日の有給休暇消化が義務
上記のように有給休暇を取得した日が基準として適用されます。
ほかにも注意すべき点はありますが、これから転職や就職を考えている方ならここでご紹介したことを覚えておけば問題ないかと思います。
※参照元 厚生労働省/都道府県労働局/労働基準監督署:働き方改革関連法解説資料(PDF)
まとめ
今回は、労働基準法改正で有給休暇の消化が義務付けられたこととその条件などをご紹介しました。
今までは、同僚や会社に遠慮して取れなかったり仕事が忙しくて取れなかったりした有給休暇を年5日以上、必ず取らなければいけなくなります。
これからは、有給休暇を利用して仕事もプライベートも充実させましょう。
このコラムを書いた人
- 大城 直樹
- 不動産キャリア18年。宅地開発・用地仕入からキャリアをスタートし、賃貸まで幅広く経験。賃貸物件の新築提案業務ではデザイナーズ物件のデザインやリノベーションに関わり、各メディアでの掲載実績を持つ。不動産会社退職後、これまで培った人脈を活かし他業種へと転職。現在に至る。 得意分野:不動産全般、デザイナーズ・リノベーション提案などの設計・建築分野
カテゴリ一覧
タグ一覧
人気記事ランキング
ご希望に合わせて求人のご紹介も
ピックアップ求人
いえらぶ不動産転職のおすすめ求人情報をピックアップしてお届けします。