建築設計の仕事がしたい！取得しておくべき資格とは？？

2020/2/7更新

建築設計とは、端的に言って都市や建築の未来を考える仕事です。

家庭環境であれば「住宅」、職場環境であれば「オフィス」など、長期間に渡って多くの人が社会生活を営む場を作る職能です。

社会貢献度の高い仕事のひとつでもあり、やりがいは大きいといえます。

だだし、それだけに責任も重大であり、高い技能と倫理観が要求されます。それを客観的に示すものが建築系の資格です。

建築設計の仕事とは？

建築設計には主に2つの分野があります。

「建築そのもの」を設計する分野と、「人が触れる部分」を設計する分野です。

「建築そのもの」の設計とは、建物を建てるために用いる材料の物理的・機械的な特性を考慮しながら、複数の材料や構法を最適化してゆく行為です。

その前提として、人がどのような空間で生活をしてきたのか、これからの生活空間はどうあるべきかという歴史的・文化的側面についても熟慮しておく必要があります。

もちろん、建物を建てる場所の環境について配慮する視点も重要です。

この場合の環境には、敷地の地盤の性質などの物理的環境や、敷地に適用される法的な規制などの社会的環境も含みます。

このように、建築設計には多岐にわたる専門的な知識と技能が要求されるわけですが、それを証明するのが「建築士」という資格です。

もう一方の「人が触れる部分」の設計とは、上記の「モノ」としての建築物を「ヒト」の生活になじませるためのしつらえを設計する分野です。

例えば、ある住宅に住む人が自分の趣味にあった生活を楽しむためには、キッチンやバス・トイレなどの水回りに、どのような大きさとデザインのシンク、バスタブ、水栓、シャワーヘッドが最適なのかを提案します。

このような知識・技能を持つ職能を「インテリアコーディネーター」と呼びます。

建築士とインテリアコーディネーターの関係を大雑把にいえば、建築士は建物のコアになる部分と外装を設計し、インテリアコーディネーターはその内装を設計する職能といえます。

一般的には、「建築設計」というと前者を意味することが多いようです。

しかしながら、建築の快適さを考えたとき、人が直接触れる部分である内装設計も同等に重要ですので、広義の建築設計には両者を含めます。

建築設計を目指すなら、まず「建築士」取得が基本

建築の設計には「1級建築士」、「2級建築士」、「木造建築士」などの資格が必要です。それぞれ国土交通大臣や都道府県知事による「免許」が交付される国家資格であり、民間資格も多い建築系資格の中では最も公的に認められた技能証明となります。

「1級建築士」は国土交通大臣の免許を受け、設計、工事監理等の業務を行う技術者です。ある一定の規模以上の建築物は1級建築士でなければならないと法律で規定されています。

「2級建築士」や「木造建築士」は、都道府県知事の免許を受けて、設計、工事監理等の業務を行います。

後者は、木造構造の建築物に限定された資格です。建物の安全性は人の命に関わることですので、設計を担当する建築士の責任は重く、資格の取得は容易ではありません。

まず、受験資格に制限があります。所定の建築教育や実務経験年数がなければ受験ができません。

さらに、資格試験の中でも難関なもののひとつとされている、学科試験（計画、法規、構造、施工、環境・設備）と実技試験（設計製図）が課されます。

それでも、難関を突破して有資格者になれば就職・転職の際に大きな武器になり得るため、挑戦する価値は大いにあります。

転職の幅を広げるには関連資格としての「インテリアコーディネーター」もオススメ

建築系資格はバリエーションが豊富です。その中でも、インテリアコーディネーターは建築士との親和性が高い資格の代表格です。

専門家である建築士の設計について、より具体的な提案をする職能ですので、専門家ではない施主やクライアントとの良好なコミュニケーションには不可欠の存在です。

特に、商業系の建築設計の仕事を目指すのであれば、建築士資格と共にインテリアコーディネーター資格を持っていれば、即戦力として採用率がアップすることでしょう。